・鮫川村焼却炉と原子力発電所焼却設備との違い |
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排ガスに含まれる放射能の放射能測定器がついていない。 |
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建屋が負圧管理されていない。 |
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耐震設計されており東日本大震災においても地震よる損壊は起きていない。 |
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原子力発電所の焼却設備排ガスの放射線測定方法の概略図を下記に示す |
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・原子力発電所焼却設備放射線モニタ概略図 |
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・放射線モニタが設置されている理由 |
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通産省令第62号 発電用原子力設備に関する技術基準を定める省令(昭和40年6月15 |
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日制定)の項目「計測装置」第20条の”(9)排気筒の出口又はこれに近接する箇所におけ |
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る排気中の放射性物質の濃度を計測する装置を施設しなければならない”と定められている。 |
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また、同省令第21条により自動的に警報を発生する装置の施設が定められている。 |
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・省令の解釈 |
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同省令は原子力基本法が前段にあり、その中の公衆の安全を保障するために原子力発電 |
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所設備については厳重に技術基準が定められている。またこの省令は原子力設備にしか |
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適用されない。なぜなら放射能をだす設備は当時原子力発電所に限られていた為。 |
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・電力会社の対応 |
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排気筒に繋がる設備には全て放射能測定装置が設けられている。 |
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日本に存在する原子力発電所共通設備である。 |
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省令62号に該当する為、最重要機器扱いとなっている。 |
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放射線モニタは検出器、記録計、指示計、警報装置からなる。 |
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重要機器である為1年に1回 校正を行っている(故障するまえに点検を行っている。) |
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原発事故前から適用されている。。 |
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発電所管理区域内で発生した可燃物を焼却している。 |
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放射能を含む可能性のある可燃物の排ガスは放射能濃度を測らなくては外に放出できない。 |
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焼却設備は建屋内にあり常に負圧管理されている |
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(建屋の中の気圧を建屋外の気圧より低く保ち、万が一の建屋外への気体流出を防いでいる。) |
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放射能廃棄物を扱う為耐震設計が要求される。 |
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・鮫川村焼却炉の問題点 |
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放射性物質汚染特措法により8000Bq未満の廃棄物については一般廃棄物となった。 |
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(特措法前は放射能廃棄物になる。) |
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それ故に鮫川村焼却炉は一般廃棄物用焼却炉と設備は変わらない。 |
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放射能廃棄物を扱う焼却炉であるのに放射能測定装置が装備されていない。 |
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ばいじん濃度測定器にて代用しているが、放射能濃度は正確に計測することは不可能 |
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(焼却物が毎回、同物質質量でない為ばいじん濃度と放射能濃度は一致しない為) |
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鮫川村焼却炉の排ガスも放射能濃度を測定するが月1回となっている。 |
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焼却量1時間当たり200kg未満で作成されており、廃棄物処理法、環境アセスメントが適用外 |
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(事前の大気、土壌、地下水への評価が不要) |
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全ての建屋に負圧管理設備がついておらず、放射能廃棄物を扱う建屋として作られていない。 |
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耐震設計が不明。説明されていない。 |
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・環境省の説明 |
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通産省令第62号は発電用原子力設備にしか適用されないので、鮫川村の焼却炉は該当しない。 |
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小型焼却炉である為、廃棄物処理法、環境アセスメントは必要ない。 |
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故に住民説明は法令上不要で建設できる。 |
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放射能はばいじん濃度測定器にて常時監視しており問題はない。 |
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放射能測定は月1回行う。 |
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・根本原因 |
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特措法により8000Bq未満については一般廃棄物となったことにより、一般廃棄物焼却炉に |
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放射線対策を義務づけられていない。 |
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1時間あたりの処理量200kg未満の焼却炉については廃棄物処理法並びに環境アセスメントが |
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適用されない。 |
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・環境アセスメントが除外されることで生まれる懸念 |
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建設以前の大気、土壌、地下水などの影響を調べる必要性がない。 |
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自然生態系への評価をされないし、万が一放射能が漏れたとしても影響を比較出来ない。 |
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住民説明が不要で建設できる。 |
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・結論 |
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鮫川村焼却炉は放射線汚染物質特措法及び小型焼却炉であることから、法令上は規制を受けない。 |
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しかし、実際に扱う廃棄物は放射能廃棄物である。 |
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放射能廃棄物を処理する焼却炉は既に厳しく規制され放射能測定装置の設置を法令により義務付 |
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けられている。(原子力発電所内にある焼却炉) |
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放射能物質の性質は原発事故後公衆の知るところとなり、社会的不安も大きい。 |
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故に法令上の規制はなくても、鮫川村焼却炉の排ガス配管については放射能測定装置を取り付け |
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管理する必要があると考える。 |
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鮫川村焼却炉の建屋は負圧管理されておらず、万が一焼却灰および排ガスが漏えいした場合、 |
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建屋外への漏えいが防ぐこと出来ない。(放射能を含む物質の漏えいが防げない。) |
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鮫川村焼却炉は耐震設計が不明であり説明もされていない。(放射能を含む廃棄物を扱う設備で |
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ある為、東日本大震災クラスの地震にも耐えられる必要がある。焼却設備、建屋が崩壊した場合 |
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焼却によって濃縮された廃棄物が飛散する恐れがある。) |
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現状の鮫川村焼却炉は一般用焼却炉であり、放射能廃棄物を管理できるものではない。よって |
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現状設備にて焼却することは不適切であり社会通念上も許されるものではない。 |
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作成者:吉川彰浩 |
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経歴 福島第一原子力発電所、福島第二原子力発電所にて廃棄物処理建屋内計測装置の保全業務を13年担当 |
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計測装置の保全の中に、発電所焼却設備の放射線測定装置が含まれる。 |
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2012年6月退職 |
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